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help RSS 火の鳥・黎明編と日食神話

<<   作成日時 : 2009/06/21 13:42   >>

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先日、朝日新聞出版から刊行がはじまったB5サイズ判の手塚治虫「火の鳥」シリーズは、表紙デザインもかつてぼくらが愛読した朝日ソノラマ版と同じかたちで、文庫判や新書判で読むのはもったいないあのすばらしい画を十分に堪能できるものとなって復刻されることになりました。


火の鳥 1・黎明編


小林よしのり著「ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論」のあとがきを読んで、神道学者として活躍されている國學院講師の高森明勅さんも少年時代に「火の鳥・黎明編」に影響されてその学問を志されたということを知りましたが、「黎明編」のクライマックス、太陽が欠けて女王ヒミコが岩戸に隠れ国中が闇に包まれ、、皆既食となってコロナの光がくっきりと描かれたシーンの鮮烈な印象は忘れることができません。

「火の鳥」といえば医者でもあった手塚治虫が生命現象の真理を追究したライフワークとして知られていますが、それに劣らず大きなテーマとして、「日本とはなにか?」という問いかけがあったことは、読んでみた方には明白な事実だと思います。

シリーズのはじめに描かれた「黎明編」は、日本神話のキャラクターを縦横無尽に駆使して構成し日本国の起源に迫ろうとした大傑作で、強いて難をあげればその執筆時期の制約として、学問的にはほとんど価値がないものの時代の潮流の中でもてはやされていた江上波夫の騎馬民族征服王朝説の影響なども多分に受けてしまっているのが残念にも思えますが、そんな部分もすべて含めて手塚治虫という巨人が当時の最新の学説も顧慮しながら誠心誠意この国の黎明を解き明かそうとした情熱が伝わってくるもので、もはや単なる漫画作品というよりも、戦後世代に計り知れない影響力を持った一種の「思想書」とも言えるものでした。

そして先にも触れたその核心となる日食のシーン。支那の史書に登場する邪馬台国の女王・卑弥呼の王権の危機と、記紀神話の中心となる皇祖・天照大神の天の岩戸隠れとを重ね合わせた設定は、最近では山岸凉子の「青青(あお)の時代山岸凉子 青青の時代」などでも同じ描写がなされていましたが、何か尋常ではなく、とてつもなく強烈なイメージとして日本民族であるぼくらに訴えるものを持っているような気がしてしかたがありません。


日食神話
日食神話 イラストレーション / 稲村光男抒情画工房



実を言うと、ぼくが日本の歴史と神話のとりことなってしまったいちばんの原因も、子供のころ日食神話と天の岩戸、そして邪馬台国の卑弥呼とを結びつける「古天文学」の研究に触れてしまって、異常なくらい好奇心をかきたてられてしまったことにあったのです。

その内容について、詳しくはまたの機会にまとめてみようと思いますが、当時小学生だったぼくは、ぼくが生まれて後はじめて日本で起こる皆既日食が2009年7月であるということを天文学の本で読んで、紀元3世紀に起きた古代の天文現象と同じように、遠くはるかな時を隔てたことに思われたものでした。

その2009年7月22日の日食も、気がついてみると一ヶ月の後に迫ってしまいました。

残念ながら、皆既食を観測できるという南の島へ出かけることはできそうにもありません。

けれどそのかわり、7月には生まれて初めて天照大神の鎮座する伊勢皇大神宮へお参りすることができそうです。


火の鳥 2・未来編火の鳥 3・ヤマト編、宇宙編火の鳥 4・鳳凰編





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2009/07/22 12:42

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