ぼくの妹はシャルロット・ゲンズブール




十代の頃から、同世代の女優や歌手をアイドルとしてお気に入りにしたことなんかなかったぼくでしたが、13歳でアニエス.bのボーダー・Tシャツを着て「なまいきシャルロット」に主演して話題になったシャルロット・ゲンズブールのことは、当時からなんとなく気になってしまっていたのを憶えています。

その話題の大半は言うまでもなく大女優ジェーン・バーキンと音楽界の奇才セルジュ・ゲンズブールの愛娘としての興味からで、続いて発表された「シャルロット・フォー・エヴァー」や「レモン・インセスト」で親父の愛玩物にされてしまっている危うさが、フレンチ・ロリータの典型としてよく取り沙汰されていたものでした。

けれどぼくは、他の派手でグラマラスなスターたちにはまったく見当たらないような、脂ぎった感じが稀薄で、ある意味で地味な、線の細い中性的な存在感が印象に残ってしまったのです。





1990年代日本のフレンチ・ポップ・ブームの中で、彼女のウィスパー・ボイスを上手に取り入れたカヒミ・カリイのような人たちが人気を博していたことでもちょっとした注目を集めていましたが、正直、その後は音楽作品をそれほど熱心に追いかけてはいませんでした。


ただ、ぼくよりひとつ年下のかつての「魅少女シャルロット」が、いまどんなふうに歳を重ねているんだろう?と、ふと思ってしまう。

ぼくにとってのシャルロット・ゲンズブールとは、そんな存在だったのです。


ところが最近になって、彼女がボブ・ディランの「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」のカバーをやっていると知って、さっそく聴いてみました。





「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」は、ボブ・ディランの最高傑作「ブロンド・オン・ブロンド」のなかでも特に大好きな歌です。

フリーペーパー「献血劇場」のトップページのぼくのイラストは中原淳一の抒情画をパロディにしたものでしたが、そこに書き入れてある "… but she breaks just like a little girl." という言葉も、この歌の歌詞から引用したフレーズでした。


いつかテレビでニーナ・シモンがライブでこの歌を歌っているのを観た時も、ものすごく感動してしまった記憶がありますが、今回シャルロットの歌う「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」にも、それに劣らないくらい新鮮なおどろきを感じてしまったのです。


just like a woman


… she takes just like a woman,
she makes love just like a woman,
and she aches just like a woman
but she breaks just like a little girl.


この歌をこんなにしっとりと歌って、自然にハマってしまう彼女に、なんだか眼から鱗が落ちるような思い。

ずっと離れて暮らしていた妹と久しぶりにあってみたら、とてもいい歳のとり方をしていたような、そんな気持ちになってしまいました。


こんな作品をさらりと産み出すことができるなら、歳をとるってこともそんなに悪くないような気がします。

ぼくたちも、そんなふうにできたらいいのにね。



シャルロット・ツインコレクション [DVD]
シャルロット・ツインコレクション [DVD]



Official Charlotte Gainsbourg MySpace page

I'm Not There








僕の妻はシャルロット・ゲンズブール [DVD]
キングレコード

ユーザレビュー:
シャルロットのファン ...
カワイイ!カワイイ! ...
魅力的なシャルロット ...

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ

この記事へのトラックバック