Amarcord Nino Rota - ハル・ウィルナーのフェリーニの映画音楽作品集

ごく私的に、1990年代のベスト・アルバムが前回触れたサニーデイ・サービスの「東京」とするなら、ぼくがリアル・タイムで聴いた1980年代の音楽の中でいまだに最高だったと思っているのはマリアンヌ・フェイスフルの1987年作品「ストレンジ・ウェザー」です。 Marianne Faithfull / Strange Weather このおそろしく魅力的な憂鬱に満ちあふれたア…

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フェリーニの「道」のジェルソミーナのテーマ

スポーツやオリンピックにはまったく興味がないのですが、バンクーバー五輪のフィギュアスケートの男子フリーで銅メダルを獲得したという高橋大輔選手の競技シーンがテレビで放送されるたび、バックに流れる音楽を聴かされて、胸が詰まるようなたまらない気持ちになってしまいます。 Nino Rota: La Strada; Il Gattopardo; Concerto Soirée …

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2010年のアリス・イン・ワンダーランド

むかし、「不思議の国のアリス」の画を、好んで描いていたことがあります。 1997年、小説家の速瀬れいさんが主宰していた文芸誌「Ripple」に掲載した上のイラストは、ジェファーソン・エアプレイン1967年のアルバム「シュールレアリスティック・ピロー」に収められたサイケデリック・チューン「ホワイト・ラビット」の挿絵として描いた中の1枚。 Surreali…

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チェルシー・ガールのウインター・ソング - ニコ

数日前に、BSでフェデリコ・フェリーニの映画「甘い生活」を放送するというので、「道」がいちばんのお気に入りのわが家でもこれはぜひ観てみようと言ってチャンネルをあわせていましたが、眠くて眠くて寝てしまい、ようやく最後の方で目が覚めて、ニコが端役で出演しているシーンを見ることができました。 そして今夜、同じくBSで放映されて観てみたのは、1993年のヴェルヴェット・アン…

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ジム・ジャームッシュ アーリー・コレクション

前回「ワルチング・マチルダ ~ Tom Traubert's Blues」と題してトム・ウェイツのことを綴った前の晩、最近は何を聴いてるの?と訊ねられて、ちょうど頭の中が「トム・トルバーツ・ブルース」のメロディでいっぱいだったのでトム・ウェイツの名前を出したら、映画「コーヒー・アンド・シガレッツ」でイギー・ポップと共演してるのが最高に面白かった、という話になりました。 映画「コ…

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溝口健二の映画「雨月物語」とフェリーニの「道」

火曜日はBSで良さそうな映画をやるみたいだから早く帰って来れたらいいね、と言われていたのを思い出して、その日は急いで帰って、いつもより灯りを暗くして間接照明だけで夕ご飯を食べながらテレビを観ました。 映画は、溝口健二監督作品「雨月物語」。 良かった。久しぶりに心から魅きつけられて、打ちのめされるような思いがしました。 ぼくは映画のことにはとても疎…

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「ベニスに死す」の美少年ビョルン・アンドレセンと大島弓子「F式蘭丸」

「日本無罪~パール判事トリビュートTシャツ」のバック・プリントになった上のイラストレーション、構図はあえて意識してアルフォンス・ミュシャの作品やそれを模倣した日本の世紀末アールヌーボー、藤島武二描く文芸誌「明星」の挿絵などから流用してみたということは「アルフォンス・マリア・ミュシャと『日本無罪』の系譜」の頁でも書きました。 けれどその他にも、下絵を描いている時から、この…

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11人の怒れる男

ヘンリー・フォンダ主演の「12人の怒れる男」という映画を観たのは、学生の頃、アメリカ合衆国の陪審員制度について考えるという講義の教材としてでした。 十二人の怒れる男 [DVD] 父親殺しの罪に問われた少年の裁判。法廷には少年にとって圧倒的に不利な証言や証拠ばかりが提出され、12人の陪審員による評議もはじめから「有罪」と決めてかかって進められる中、ただひとり陪審員8番だ…

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硫黄島の英霊

3月17日。わが家へ帰宅すると、葉子が「今日はおじいちゃんの命日」と言いました。 昭和20年、硫黄島の戦いに戦死した義祖父。その正確な最期のようすはもはや知るすべもないのですが、聞けば栗林忠道陸軍中将が大本営に訣別の電文を打電し、総攻撃を敢行したこの日を命日としているとのこと。 わが家にお祀りしている遺影には、水に不自由しながらもっとも苦しいたたかいを戦った祖父を偲び、いつも…

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ぼくの妹はシャルロット・ゲンズブール

十代の頃から、同世代の女優や歌手をアイドルとしてお気に入りにしたことなんかなかったぼくでしたが、13歳でアニエス.bのボーダー・Tシャツを着て「なまいきシャルロット」に主演して話題になったシャルロット・ゲンズブールのことは、当時からなんとなく気になってしまっていたのを憶えています。 その話題の大半は言うまでもなく大女優ジェーン・バーキンと音楽界の奇才セルジュ・ゲンズブールの愛娘とし…

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may the good Lord, shine a light on you ...

昨年暮れのことですが、マーティン・スコセッシ監督作品「ローリング・ストーンズ~シャイン・ア・ライト」を観てきたので、その感想をここに書き留めておきます。 いろんなものに興味を持ってきたけれど、16歳から19歳くらいのいちばん多感な年頃のぼくは、決して大袈裟ではなく寝ても覚めても、いつだってローリング・ストーンズに夢中でした。 白状すると、ぼくの人生にとって、柳田國…

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